広島の企業インタビュー創業118年の精米技術、さらなる発展をめざして
広島県の地元企業インタビュー
創業118年の精米技術、さらなる発展をめざして
株式会社サタケ
取締役 人事部 部長 木谷博郁
今年で創業118年となる株式会社サタケ。精米機からスタートした同社は、現在では国内で唯一、稲の加工から炊飯までの工程に必要な機械すべてを取り揃える企業である。蓄積した技術力を武器に、新分野や海外市場への進出まで、地元東広島から快進撃を続ける同社の木谷取締役にお話をうかがった。
サタケ様の企業概要をお聞かせください
明治29年(1896年)、初代・佐竹利市が動力式精米機を開発して売り出したのが事業の始まりです。そして2代目の佐竹利彦が事業を育て、今のサタケの基礎を築きました。3代目の佐竹覚の頃から製粉機という新たな事業分野に乗り出しました。近年ようやく我々の新しい製粉スタイルが世界的に認知されるようになりました。現在佐竹利子が4代目となり、マジックライスなど、女性の感覚が商品開発にも経営にも取り入れられ、会社のカラーも変化しています。
現在、国内で力を入れていることは何ですか?
お米の市場が縮小する国内においては、まったく違う分野における技術の活用を進めています。その一つがバンパーのリサイクル。中古バンパーの塗装をはがす工程で、塗装の微細な残りカスまで判別して削り落とすためにお米の選別技術や精米技術が活用されています。 一方、お米に関わる分野では“炊飯”に進出し、コンビニ弁当(工場)や病院・学校で使うIH炊飯設備の提供をはじめています。 その他、サタケで育てたお米をマジックライスやGABA米に加工して販売するなど、6次産業への取組みも検討しています。
海外市場はいかがでしょうか?
海外では、やはりお米を主食とするアジアに注目しています。美味しいお米へのニーズが拡大する中国では、白いお米だけを選別する光選別機の需要が大変伸びています。また、お米を輸出する国では、少しでもお米の商品価値を上げて高く販売するために、精米加工技術が必要となっていますし、食糧自給率の向上をめざす国々にも潜在的需要があると考えています。今後それぞれの国の経済発展の状態に応じて、我々が持つ技術を提供していきたいと考えています。
ファミリーフレンドリー表彰厚生労働省優良賞受賞について教えてください
評価を受けた取り組みは2つあります。 一つは平成16年に設置した社内保育室です。サタケでは平成10年から女性の総合職採用を開始しましたが、出産・育児を理由に退職する方が多く、その対策として保育室を設置することになりました。 もうひとつは平成15年に導入した時短制度です。よりよい人材の確保と、遠距離通勤者の負担軽減のため始業・終業時間をそれぞれ30分遅くしたところ、子どもの帰宅時間に間に合わないという声があがりました。そこで8歳まで(現在は9歳までに延長)の子を持つ人を対象に30分の時短勤務を認めることになりました。結果として、現在出産・育児が理由の退職者はほとんどいません。
中途採用者に多い志望動機は何ですか?
地元で仕事をしながら海外にもつながっている発展性、そしてやはり企業規模が大きく経営が安定しているといったことだと思います。 お米という主食を加工するメーカーなので、人類がお米を食べ続けるかぎり、我々の機械への需要はある点に安定を感じられる方が多いのではないでしょうか。
求職者の方にメッセージをお願いします
当社は景気にあまり左右されないお米事業でコンスタントに利益を確保しているので、新しい分野の研究開発にも精力的かつ粘り強くチャレンジすることができます。 中途採用の応募者は県内の方がほとんどですが、U・Iターンの方ももちろん歓迎しています。近県では四国出身のIターン者もいますし、最近福岡から結婚を機に広島に転居し、入社した社員もいます。 若いリーダーを抜擢していることで、新人にとっても年齢が近いため自由な発想が出しやすく、風通しのよい環境です。技術力はもちろん、明るく元気でまじめな方を求めています。
株式会社サタケ
取締役 人事部 部長 木谷博郁
1982年 広島大学工学部第2類経営工学課程卒業
1984年 株式会社 佐竹製作所(現在のサタケ)入社
以後、主に人事部門にて、処遇制度等の諸制度の制・改定に携わる
2001年 経営本部 人事部 部長
2009年 執行役員 人事部 部長
2012年 取締役 人事部 部長