転職バイブル履歴書と職務経歴書は役割が違う!採用担当者の目に留まる書き方を学ぼう
転職活動では、履歴書と併せて職務経歴書の提出が必要です。なぜその両方が求められるのか、その理由を知ることで、自然とそれぞれの効果的な書き方がみえてきます。この記事では、企業側が履歴書や職務経歴書に記載する内容のうち、どのような事を見ているのか、その基本的なルールに加えて、オリジナリティーを出すための秘訣を紹介します。
1.履歴書と職務経歴書の主な違い
履歴書と職務経歴書は、どちらも転職活動をするうえで必需品となるものです。
両者は一見似ているようにみえますが、実はその役割はまったく異なります。
履歴書と職務経歴書のそれぞれを上手に使いこなすためには、まずそれぞれの特徴と転職活動における役割について、よく理解することが大切です。
1-1.履歴書の特徴と役割
履歴書の大きな目的は、内定後に人事情報として社内で保管することにあります。
そのため、氏名、生年月日、現住所、連絡先など決まった内容を正確に記入することが重要です。
記入漏れがないように、手書きの場合は市販の履歴書を使用し、PCで作成する場合は定型フォーマットに沿って書くことが望ましいでしょう。
履歴書は、手書きでも、PCで作成したものでもどちらでも構いませんが、PCで作成することが主流になりつつあります。
手書きの場合は、黒ペンを使用し、鉛筆や消せるボールペンなどは使用しないように注意が必要です。
一般的に市販されている履歴書には、A4サイズのものとB5サイズのものがあります。
1980年代までは、履歴書のサイズはB5が標準でした。
しかし1990年代に入り、グローバル化が進んだことで、公的書類のほとんどが国際規格であるA4にシフトしていったという経緯があります。
そういった背景もあり、履歴書も特に企業から指定がない限り、JIS規格のA4サイズを選んだほうが望ましいとされています。
1-2.職務経歴書の特徴と役割
職務経歴書には、書類選考に使用するという大きな目的があります。
そのため、採用担当者にしっかりとPRできる内容が書かれていることが求められます。
キャリアのアピールに使うため、履歴書と比べて書く内容の自由度が高いことが特徴です。
一般的に職務経歴書に書く内容は、タイトル(職務経歴書)、氏名、記入年月日からはじまり、職務の要約、具体的な職務経歴、活かすことのできる能力や経験、自己PR、志望動機などです。
その他にも、「自分がいかにその企業にとって役に立てる人材か」をアピールできるような実績や、やる気をアピールできることがあれば、どのようなことでも記入してかまいません。
職務経歴書の場合、手書きよりもPCで作成するほうが望ましいといわれています。
その理由は、職務経歴書は選考のために、採用担当者や面接官など複数人で共有することが多いからです。
そのような場合書類はWEB上で管理されるため、先方のPDF化の手間を省くためにもPCで書かれたものを用意しましょう。
2.マイナスの印象を与えない作成のコツ
履歴書も職務経歴書も内容以前に、見た目がきれいなことが重要です。
体裁が整っていないものは、それだけでマイナスの印象を与えてしまいます。
あまりにも見た目がお粗末なものは、読む気すらおきないかもしれません。
ここでは、印象のよいものを作成するために、履歴書と職務経歴書それぞれについて基本的な作成ポイントを紹介していきます。
2-1.履歴書のポイント
履歴書の作成ポイントは、まず使用する写真にあります。
履歴書の写真は採用担当者の第一印象に大きな影響を与えるため、身だしなみの整った印象のよい写真を選ぶようにしましょう。
できればスピード写真ではなく、写真館で撮影したものの方が好ましく、撮影するときには口角を少しあげることを意識すると朗らかなよい表情の写真を撮ることができます。
また、当然のことではありますが、「ふりがな」ならば「ひらがな」を使い、「フリガナ」ならば「カタカナ」を使う、省略語を使っていないことなど一般常識ができているかどうかのチェックも怠らないようにしましょう。
書き損じたからといって、修正テープを使用することは厳禁です。もちろん古い履歴書を使い回すこともNGです。
もし、手書きで作成する場合は、印象をよくするために、心をこめて丁寧な字で書くよう心がけてください。
他にも、空欄がないか、誤字脱字はないか、「です・ます」調で統一されているかなど、基本的な点も細部まで確認することがポイントです。
2-2.職務経歴書のポイント
職務経歴書は書類選考に使用されるため、読みやすいレイアウトになっているかどうかという点が重要です。
いろいろなことをアピールしたいばかりに、たくさんの文字を無計画に詰め込みすぎると、せっかく内容がよくても採用担当者に悪い印象を与えかねません。
読み手のことを考えて、要約や見出しを上手く利用し、テンポよく読んでもらえる工夫をするとよいでしょう。
職務経歴書の枚数は、2枚が適切といわれています。
1枚では自分のことをアピールしきれず、だからといって3枚では採用担当者が「多すぎて読みづらい」と感じやすいためです。
また、転職した経験があったり、職歴にブランクがあったりといった理由で経歴が複雑な場合には、職歴の前に略歴を記載するとよいでしょう。
略歴では転職やブランクをマイナスのこととしてではなく、プラスにとらえてもらえるように、キャリアに一貫性があることや仕事への意欲をコンパクトにまとめてアピールします。
履歴書と同様に誤字脱字はないかという点も、忘れずにチェックしてください。
3.採用担当者の目を引く職務経歴書の書き方
選考に使用される職務経歴書は、履歴書と異なり定型文のように書くというわけにはいきません。
自分の経歴の中から特に希望する企業のニーズに合う部分をピックアップし、職務経歴書に書くとよいでしょう。
ここでは企業のニーズに合わせた職務経歴書を書く方法を、3つの手順に沿って説明していきます。
3-1.1.キャリアの棚卸をして箇条書きにしておく
職務経歴書を書く前にまず、これまでの自分のキャリアを振り返り、キャリアの棚卸をしてその内容を箇条書きにしてまとめておきます。
その時のポイントは、いつからいつまでどの企業で何をしていたのか、その企業で自分がいったいどのように貢献してきたのか、また実績を出すためにどのような工夫をしたのか、マネジメント経験があれば人数やプロジェクトの内容について、これまでの失敗例とそこから学んだことなどです。
失敗例はそれだけ聞くとただの失敗談になりますが、そこからどのようなことを学んだのかをつけ加えることで、仕事に取り組む意欲を示すことができます。
3-2.2.特別アピールできるポイントを加える
基本的な棚卸しができたら、それ以外に特別アピールできることを書き加えます。
たとえば、自分が得意な分野や身に付いているスキルなどがあげられます。
また、社内外で受賞歴があるような方はその内容を、もし内容が一般的には読み取りづらいものであれば、その概要と難易度についての説明書きも書いておくとよいでしょう。
その他に、新規事業立ち上げや大規模イベントの開催などなかなか経験できないような、ほかと差をつけられる経験や、通常は書くことのないアルバイト経験であっても、志望する企業に深い関わりのある企業で1年以上の経験があれば書く価値があります。
3-3.3.転職先企業に合わせた情報の取捨選択
キャリアの棚卸しが終わったら、最後に転職先企業に合わせて情報の取捨選択をしていきます。
このとき、すべての企業に同じ職務経歴書を使い回すのではなく、企業のニーズに応じた職務経歴書をそれぞれ用意することが重要です。
どんなに偉大な功績があったとしても、志望する企業にまったく関係のない分野や職務についてアピールしても、あまりプラスにはなりません。
また、すべてのキャリアを単純に羅列するのではなく、ボリュームを持たせたい場所とさっと書けばよい場所の区別をつけておくことも大切です。
このとき短い職歴であっても省くことは経歴詐称にあたるため注意してください。
企業のニーズに合った職務経歴書を作成するためには、採用情報や会社情報を精読し、相手が知りたいことを軸にして情報を整理することがポイントです。
棚卸してでてきたアピール材料の中から、随時必要なものだけをピックアップして採用担当者の目を引く職務経歴書をつくりましょう。
会ってみたいと思わせる履歴書や職務経歴書を書こう!
履歴書と職務経歴書はそもそも役割が異なるため、志望動機以外ほとんどの部分においてチェックされるポイントも異なってきます。
まずはそれぞれの役割をきちんと把握したうえで、ポイントを押さえた履歴書や職務経歴書を作成するよう心がけてください。
企業が必要とする情報を過不足なく盛り込むことで、転職の成功率もアップするでしょう。