【セミナーレポート】企業成長のカギとなる!? "高度外国人材と留学生採用"セミナー
近年、グローバル化が加速するビジネスシーンで、外国人材のニーズがとても高まっています。その流れに伴い、外国人留学生の採用を考える企業も増えつつあります。どうすれば採用を成功させることができるのか、今回コネ転スタッフが「高度外国人材と留学生採用セミナー」に潜入してきました!
第1部「SDGs を知り、ビジネスチャンスを広げよう!」
岡山大学副理事の横井さんによるSDGs(エス・ディー・ジーズ)をテーマにしたセミナーからスタート。
SDGsとは何か?また、中小企業におけるSDGsの戦略的活用に向けての話を聞かせていただきました。
その内容を少しご紹介します!
世界が注目する「グローバルな共通言語」“SDGs”とは?
“SDGs(Sustainable Development Goals)”とは、「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」、「気候変動に具体的な対策を」など、国連が掲げる国際社会共通の17 の目標のことです。
では、なぜ企業にとってSDGsが重要となってくるのでしょうか。
それには様々なメリットがあります。
【メリット1】将来のビジネスチャンス!
持続可能な開発の実現を目指す上で、地球規模の課題は革新的。企業にとっては新たな市場開拓のチャンスとなります。
【メリット2】企業の社会的価値の向上!
SDGsに取り組むことで、企業は売上の向上や新規市場の開拓、ブランド力の強化により、企業価値をアップさせることが期待されています。
それでは、SDGsに積極的に取り組むことで新たなビジネスチャンスをつかんだ例をご紹介します。洗浄剤、消毒剤、うがい薬などの衛生用品の開発、製造、販売を行っているサラヤ株式会社です。
【サラヤ株式会社が行った取り組み】
●ウガンダとカンボジアにて、市民と医療施設の2方向から手洗いを基本とする衛生向上のための取り組みを推進
●「100 万人の手洗いプロジェクト」として、商品の出荷額1%をウガンダにおけるユニセフの手洗い普及活動の支援に当てている。また、ウガンダに「現地法人サラヤ・イーストアフリカ」を設立し、現地生産の消毒剤やその使用方法を含めた衛生マニュアルを提供
●持続能なパーム油類(RSPO 認証油)の使用や、アブラヤシ生産地の生物多様性の保全に取り組むと同時に消費者へのエシカル消費の啓発を実施
上記の通り、SDGsに積極的に取り組むことで、現地での雇用を生みだしながらアフリカの社会問題を解決し、持続可能なビジネスとして展開しています。売り上げもアップさせ、自社ブランドの向上にもつながっています。
SDGsを活用し、社会課題解決に貢献することで、中小企業が抱える「優秀な人材が獲得できない」「自社製品を作りたい」などの課題解決の糸口となることが期待されています。今後、企業がSDGsに取り組むことが、重要な経営力の一つとなりそうです。
第2部「外国人留学生の採用及び雇用事例」
第2部では、実際に外国人留学生を採用した2つの企業の方から話を聞くことができました。
まず1社目が、板野機工株式会社。創業70 年のボルト、ナット、ネジなどを扱う金属加工専用の商社です。こちらの会社で働く、インドネシア出身のアルドさんが、日本の企業で働く上で苦労したこと、将来の夢などを教えてくれました。
■以前、広島の会社に勤めていた時に困ったことはありますか?
アルドさん「初めて聞く広島弁が理解できなくて、通じなかった言葉がたくさんありました。会社のスタッフに、自分の日本語の聞き取り力が弱いと思われることが辛かったです。しかし、先輩が日本語と広島弁を仕事の時だけでなく、昼ごはんの時にも教えてくれて、徐々に慣れるようになってきました。
アルドさん「板野機工にとっては、外国人社員は、私が初めてです。みんな私に興味を持ってくれて、英語で声をかけてくれたり、インドネシアのことについてたくさん質問してくれたり、とても楽しい環境です。しかし、寂しく感じたことがあります。それは、飲み会とか、遊びに誘われたことがありませんでした。自分から声をかけて、近くのラーメン屋に誘ったり、自分のアパートに来てもらったりして交流を深めました。」
■将来の夢はありますか?
アルドさん「板野機工のインドネシア工場の責任者になると、世界各国で活躍するトップセールスマンになるという2つの夢を持っています。現在、板野機工は、ボルトやナットの販売をメインに行っており、海外ではサプライヤーとしては進出していません。工場の責任者としてだけでなく、板野機工をサプライヤーとして色々な国に広めたいと思っています。」
■外国人が日本で働く上で企業の方にアドバイスはありますか?
アルドさん「日本で働く前に日本のマナーをたくさん調べましたが、驚いたのは、お金のことです。住む場所を決める際に、敷金、礼金など、事前にお金がたくさん必要なことを日本に来てから知りました。採用が決まった後に、このようなお金の説明もしていただければ安心するかと思います。」
続いて登場したのは、橋梁などの構造物メンテナンスを主に行っている山陽ロード工業株式会社の秋田社長です。現在、タイ人の女性とベトナム人の男性を採用しています。
■外国人をなぜ雇うのか
秋田社長「外国人材を雇うことについて、最初は社内でも不安の声が上がっていたこと、建設業で外国人採用は少ないこともあり、かなり慎重に行いました。ですが、思いのほか大成功でした。
なぜ、外国人を採用する必要があったかと言うと、超少子超高齢社会に対応するためと、生産性の向上のためです。働き方改革の中で、どのように自社の事業をアジアに広げていくのかを考えた時に、外国人材を入れていくべきだと思いました。」
また、秋田社長が感じた、高度外国人材のメリットについても教えていただきました。
高度外国人材のメリット
・真面目でやる気がある
・視野が広い
・コミュニケーション能力が高い
・任された仕事はきっちりとやる
・報告連絡をきちんとする
・金銭感覚が良い
など
会社が社員に求める要素を、高度外国人材の方は持っているそうです。さらに、グローバル志向で日本人よりも視野が広いこともあり、頼もしい人材として活躍しているとのこと。今後も山陽ロード工業株式会社では、外国人材を増やしていく予定だそうです。
第3部「海外人材採用に必要な入管手続きと受け入れ成功のポイント」
第3部は、行政書士まつだ国際法務オフィス代表の松田さんによる、外国人材採用に必要な手続きについてです。「就労系在留資格」についての説明や、選考前の注意点、採用スケジュールなど、採用するにあたって知っておきたい情報を分かりやすく教えていただきました。
【編集後記】
少子高齢化の進展や、企業のグローバル化によって、外国人材は、今後ますます需要が高まっていくはずです。また、雇用後も外国人材が定着、活躍するために企業側もサポート体制を充実させていく必要があると思いました。今回のセミナーでは、実際に雇用している企業や、働いている外国人の話が聞けたので、より現実的に雇用について考える機会になったと思います。