「女性らしく働く」キャリア女性インタビュー
江口 佳那子様
株式会社ファブリックアーツ
管理統括本部 人事総務グループ
幸せの在り処は、仕事の楽しさと厳しさが教えてくれます。
「女性らしく働く」、キャリア女性の転職をサポートするキャプラ転職エージェントのお役立ちコンテンツ。
江口さんのワークキャリアをお聞かせください
美容部員として活躍。そして管理畑へ
小学生の時にお化粧するほど、おませな女の子で、将来、美容部員になりたいと思って、メイクアップを学ぶ専門学校に進学しました。
卒業後は、大手化粧品会社に就職。念願だった美容部員になって6年ほど働き、担当地区の責任者にもなりました。
話すことが好きで、いろいろなお客様とお会いして、喜んでいただける仕事にやりがいを持っていたのですが、将来のキャリアアップを見込めない組織体系に疑問を感じて退職しました。
その後、父親が経営する地元の飲食店チェーンを手伝うことになり、人事や総務の仕事に従事するようになります。
入社した頃は、まさに会社の成長期。事務という全くの畑違いの仕事、親の娘だということが重なって、いろんな経験やたくさんの苦労をしました。
社員は私の言うことに耳を傾けないし、悔しくて倉庫でこっそりと泣くこともありましたが、この時に人の扱い方や接し方を多く学んだ気がします。
そして、ファブリックアーツに転職して7年ほどになります。
現在、管理統括本部の責任者として、採用活動をメインに、労務・庶務・総務など、営業以外の仕事をすべて引き受けている感じです。
日々、目先の仕事に追われているので、今後は、人事評価制度やキャリア制度の見直しなど、人事組織の改革面に目を向けていきたいです。
どのような時にキャリアは積まれると思いますか。コツや流儀があれば教えてください
とことん向き合う覚悟
総務の仕事を10年ほどやっていました。そんな経験をした方はたくさんいらっしゃいますが、いざ蓋を空けたら、中身の無い方が…。
実際、総務の仕事はどこまでキャリアを積んだのか見えにくいのは確かです。
だからこそ、自分にはこれができると、自信を持って言えることをたくさん作ることが大切です。
総務は間接部門、いろいろな社員と接するので、コミュニケーション能力が大切になってきます。
実際、労務管理の仕事で人間関係の問題が一番しんどいところです。
どれだけ逃げずに苦労できるか。今から転職を考えている女性が、それなりのキャリアを築いて、それなりの給与を欲しいと思うのなら相当の覚悟が必要です。
そうでないと結局、子供を言い訳にして辞めてしまうことになります。
私が最初に転職した時、事務方の経験や能力が全くなかったので、人の倍働いている感じでした。
定時に帰っていたら、人と同じ仕事をすることができなかったので、深夜になるまで明日の会議で発言するカンペまで書いていたほどです。
そこまでやって、やっとみんなと同じ土俵に立てたのです。
結婚して定時に帰るというスタイルでは、よほどの覚悟がないと、キャリアを積むことは難しいのではないでしょうか。
今の仕事に手を抜かずに向き合うことが大切です。
今までにどのような自己啓発をされてきましたか
身近にある自己啓発の方法
今でこそ、そうでもありませんが、以前は自己啓発が大好きでした。
地獄の富士山特訓など、自己の精神鍛錬、自身を追い込む研修に参加したこともあります。
自分の心をしっかり出す研修をやったおかけで、今では少々のことなら大丈夫という気概が身につきました。
新卒の採用にたずさわっていますが、新入社員には、最初に仕事のテクニックではなくて、心の話をするようにしています。
何のために仕事をするのか。まずそこをクリアすることが自己啓発を促し、キャリアアップの近道だと考えているからです。
社会とは、会社とは、理不尽なことだらけとしっかり教えておく。それを伝えるのが私の役割だと思っています。
いろいろな本を読み、様々な研修を経験して思うことは、家族とぶつかることが精神的に一番つらいですね。
親子関係は、仕事関係と同じだということを実感しています。
親子の関係がうまくいっている家庭は、上司や部下ともうまくやっていけるのです。
つまり、家族とのいい関係を作ることが最良の自己啓発と言えるのです。
家庭と仕事との両立で、どのような苦労や工夫がありましたか。
結婚をピークに考えない
仕事と家庭との両立は、正直、ぜんぜんできていないです。
洗濯物の山を土日に一気に片付けている感じで、できている方を尊敬します。
でもこれは、求めるレベルの問題ではないでしょうか。
子育てをとことんやりたい。仕事でここまでやりたい。人それぞれによって時間の使い方が変わってくるからです。
例えば、わが家では、子供の将来を考えて、自宅から1時間かかる幼稚園に通わせていて、時間を取られていますが、どうしても欠かせない日課になっています。
女性が働く場合、実際には仕事と家庭との両立には、やはり夫の協力が必要になります。一個の食器を洗ってもらうだけで気が楽になるものです。
出産後、仕事に復帰する時に、子供が小さな時に全部自分で抱え込んでパンクして、結局、仕事を辞めしまうケースが多いのですが、でもこれって結婚をピークに将来を考えているからだと思います。
結婚して、子供を育てながら仕事を続けていくことの大変さを、働き出す前に夫に話して納得してもらえれば、自身を追い込むことはありませんし、夫の協力も得られるはずです。
20代、30代の女性へ、キャリア形成や働くコツのアドバイスをお願いします
人間力を磨こう
人間力を身につけること。
人間力とは、人を感動させて、動かすことができることです。
○○さんと一緒に働きたいとか。○○さんみたいになりたいとか。そんな人材になること。
例えば、洋服のお店だったら、洋服よりもその店員さんが気に入って購入にすることがありますよね。
それが人間力なので、20代のうちに身につけて欲しいです。
実際に私は採用担当者をしていますが、人間力がある人材だけを採用するようにしています。
人間力を高めるためには、いろいろな人といっぱい触れ合って揉まれること。
私自身、20代の頃は結構、遊び回っていました（笑）。
それができれば、30代になると、結果としていい仕事がつながっていくようになります。
そこで、実践的なキャリアを積めば、40代には、いい収入を得られるようになり、将来も楽しみになってきます。
仕事のブランクがあったとしても、人間力がある魅力的な女性だったら、必ず人がついてくるので、企業はどうしても採用したくなるものです。
また、自分の中心軸をできるだけ早く見つけること。
自分が本当にやりたいことを掘り下げて考えてみましょう。
そうすれば、仕事に対する愚痴が減り、前向きな姿勢に変わってキャリアアップにつながります。
今後のビジョンや夢などをお聞かせください
夢や希望を手にできる会社に
私が転職した理由は、自分の将来に不安を感じたからです。
一生懸命に働いても上のポジションが上がれない。昇給も微々たるもので、先が見えなくなって会社を辞めてしまったのです。
こうした経験があるので、社員たちが将来に夢やビジョンを持って働けるように、会社の規模を大きくしていきたいですね。
会社の存在意義とは、社員のために会社があるということ。
採用した企業には大きな責任があると思っています。
例えば、新卒採用の場合、半年以上かけて採用活動をします。会社の魅力や将来のビジョンを伝えて、共感して、やっと会社に入ってきますので、入社式では、まるで我が子のように号泣してしまいます。
そんな若い社員が活躍できる環境を作ることが私の役割だと思っています。
仕事をする目的は、今までは社員のためだとか、自己成長だったのですが、今は子供ためです。
仕事の価値観だとか、成長してこられたのは、父親の背中を見てきたおかげだと感謝しています。
今度は、私の一生懸命働く姿を子供に見せて、将来、自分の子供が社会や時代に必要とされる魅力的な人材となるように、自分の人間性を磨いて伝えていきたいです。
