島のくらし【香川移住者インタビュー】
近年注目を集めているI ターン就職。「これまでの生活スタイルを見直したい」と、地方に移住する人が増えています。
瀬戸内海に浮かぶ、香川県・小豆島も温暖な気候や、豊かな自然に惹かれて県外からの移住者が増えつつあります。
今回、実際に小豆島へ移り住んだ蒲さんご夫婦をコネ転スタッフが取材しました。
2010 年に岐阜県から小豆島へ移り住み、塩作りを行っている「波花堂」の蒲敏樹さん、和美さん夫妻。
小豆島を訪れた際、穏やかな海と温暖な気候が気に入り、すぐに移住を決断。海のない土地で育った2 人にとって、
穏やかな瀬戸内海の風景は新鮮だったそう。
「移住先は、雪の降らないあたたかい場所がいいなと思って色々と探していたんですけど、なかなか決まらなくて。
小豆島を訪れた時に、イメージしていた移住先とぴったり合って、すぐに決めました。目の前には海があるし、
しかもとっても穏やかで心地よくて。それに、島には山もある。山育ちなので山もないと寂しかったんです。」
そして、蒲さんが移住後始めたのは塩作りでした。奥さんにおいしい塩を食べさせたいという想いから瀬戸内海の海水を使って独学で作り始めたのです。
「昔、夏の自由研究で塩を作ったのを思い出して、もう一度作ってみようと思ったんです。それで、自分が作った塩をかみさんに食べてもらったら、おいしくないと言われて。それが本当に悔しくて。」
最初はなかなか塩作りがうまくいかず、試行錯誤の日々を過ごしていました。さらに台風で塩小屋や塩田が 流されたりと、多くの苦難が降り掛かってきましたが、諦めることはありませんでした。失敗を繰り返しながらは改良を 続け、ついに「御塩」を完成させたのです。
移住して6年が経つ現在。島での暮らしもすっかり落ち着き、地元の人とも打ち解けてきたという。
地域の自治会に参加したり、お祭りなどの行事に積極的に顔を出したりと、徐々に距離を縮めてきました。
「個人で仕事をしているとなかなか地元の人と接点がなくて。移住してきた当初は、人脈を広げようと
島で行われているお祭りを全てハシゴしたんです。今では、島で行われるイベントやイノシシよけの柵づくりなど、
地域での共同作業に声をかけてもらったりして、地元の人から頼ってもらえるようになりましたね。」
「小豆島にはスーパーやホームセンター、本屋もあるし、それでも足りないものはネットで頼めばいいし、買い物に困ることはありません。島暮らしというと不便そうに思うかもしれませんが、生活するのに不便だと感じたことはないですね。小豆島での暮らしは自分たちの感覚に合っていて、ずっと暮らしていきたいと思っています。今、すごく幸せなんです。」
「移住先を決める上で、自分がどういう暮らしをしたいかが重要なポイントだと思います」と蒲さん。
どんな環境で、どんな暮らしをしたいか整理した上で、移住先を探してみてはいかがでしょうか。
短期滞在でその土地を知ることから始めてみるのもおすすめですよ。