まず、日本で一番学んだ大きなことは、「気配り(きくばり)」です。
たとえば、ペンや包丁(ほうちょう)をわたす場合、刃先(はさき)を相手(あいて)にむけずにわたすこと。ベトナムでは、相手がケガさえしなければ、わたし方にはこだわっていません。何ごとにたいしても、まず、相手の気持ちになって考えて、行動(こうどう)することを学びました。
また、社会人(しゃかいじん)のマナーやビジネスの常識(じょうしき)もおおく学びました。
日本の場合、はじめてお会いする人に、年齢(ねんれい)や結婚(けっこん)のことを聞くのは失礼(しつれい)になりますが、ベトナムでは、最初(さいしょ)に聞くことがあたりまえです。ベトナムでは年齢による上下関係(じょうげかんけい)がきびしく、呼びかた、言葉づかいやあいさつなど、自分より目上(めうえ)の人に対して尊敬(そんけい)して接(せっ)する必要があります。挨拶(あいさつ)のマナーとして、「あなたのことに関心(かんしん)を持っている」という意味も考えられるからです。
真剣(しんけん)に相手の話を聴(き)くという意味で、会話の時、顔をしっかり見て話すことも大切です。日本人は顔をじろじろと見ないじゃないですか。はずかしがりなのかもしれませんね(笑)。
いろんな意味で、人間としての考え方を学んでいる気がします。
むかしは自分の感情(かんじょう)をストレートに出していましたが、今は自分の感情をコントロールして、相手の立場(たちば)や気持ちを考えられるようになりました。
日本に来たからこそ、今の自分があると思っています。