コネでつなぐ!スペシャリスト【岡山編】
色々な分野で活躍中のスペシャリストを紹介するシリーズ企画。コネ転スタッフが取材し、気になる仕事内容や働き方などを教えていただきます!
さらに、その人のコネ(人脈)で、次のスペシャリストを紹介していただき、リレー方式でつないでいきます。
第二回目に登場するのは、フード&ライフディレクターの久保さんよりバトンを受け取ったカフェオーナーの木下さんです。
キノシタショウテンをはじめ、県内に5店舗のカフェを展開する木下さんですが、意外なことに、もともとコーヒーが飲めなかったそう。
コーヒーロースターに就職したのがきっかけで、毎日テイスティングしているうちに徐々にコーヒーにのめりこんでいきました。
「もともと飲めなかったのに、自家焙煎店を巡るようになって、気がついたら家でコーヒーを入れるのが毎日の習慣になっていましたね。いつかは自分の理想の店を地元で開きたいと思うようになっていました。」
木下さんのおばあさんが地元・牛窓で営んでいた雑貨・駄菓子店「木下商店」の名前を譲り受け、2010年に念願だった自分の店「キノシタショウテン」をオープンさせました。
「田舎でも高品質なものを提供できる店が必要だと思っていたんです。街中でしか手に入らないって、田舎出身の自分にとってはなんだか理不尽で」と木下さん。
「焙煎は単純に豆を焼くだけ。すごくシンプルだけど、奥が深い。うちの店では、火の当て方、釜の圧力や回転数、すべてを調節できるように焙煎機を改造しています。」
豆の個性を最大限に引き出した味を毎回提供できるよう、焙煎するたびに温度や釜の圧力を計り、すべて数値化してレシピを作成。
機械の個性によっても焙煎の方式は違うため、膨大な量のレシピが作られていきます。
「同じ味でももっと高みを目指せるんじゃないのか、という思いが常にあるので、微調整を繰り返しています。こういう風にしたら苦みが増えたなとか、毎日データをとり続けています。」
豆自体もお米のように毎年出来が異なるので、レシピは毎年変化させているとのこと。そんな気が遠くなる作業をひたすら繰り返し続けているのです。
「焙煎は追求し始めたらゴールがないですね。おもしろいようで結構悩みますよ。コーヒーが好きじゃないと、やっぱりできないですよね。」
苦みと酸味のバランスがよく、雑味のないすっきりとした味わい。香りも豊かで、豆本来のうまみや甘みも感じられます。
コーヒーに合わせる料理にだって手を抜くことはありません。ほぼ既製品を使うことなく、マヨネーズやケチャップなどの調味料も自家製というこだわりぶり。ハムやベーコンなども、時間と手間をかけて丁寧に作っています。
「お客さんに喜んでもらうためにもですし、最高のコーヒー豆を農家さんから提供してもらっているのに、それに合わせる料理も最高のものでないと、と思っています。」
研究熱心で、すべてにおいて真っ直ぐな木下さん。
納得いくまでこだわったコーヒーや料理を提供することは、木下さんにとってはあたりまえのこと。
そのブレない姿勢は、「あたりまえのことを、あたりまえに」という店のコンセプト通りなのです。
今後の夢を聞いたところ、
「岡山の良いものをもっと紹介したいんですよね。岡山の食材の良さを知ってもらえるようなアンテナショップを都心で開けたらいいですね。自分のコーヒーがどこまで通用するのか試してみたいという気持ちもあります。」
と教えてくれました。
木下さんの飽くなき挑戦はまだまだこれからも続いていくのです。
今回、コネ転スタッフが取材を行ったのは、
キノシタショウテン
住/瀬戸内市邑久町尾張342-2
☎/ 0869-24-7733
営/7:00〜18:00
定休日/木曜日
HP /http://kinoshitashouten.com